FIREまでの計算ツール:FIREシミュレーション
FIREシミュレーションとは、FIREを達成までの年度や、必要な構築資産を、計算ツールで計算することです。
本サイトでは、独自に設計した計算ツールで、FIREまでのシミュレーションができます。
【本サイトで準備した計算ツール】
- FIREまでの年数
- FIREまでの資産構築
FIREシミュレーションをするメリット
FIREシミュレーションをするメリットは、以下の3つです。
- FIRE達成までのロードマップ上で自分の立ち位置を可視化できる
- FIRE達成に必要な構築資産額が分かる
- FIREシミュレーションを通じ、自分に合ったFIREのパターンを探すことができる
FIREシミュレーションは、あくまで公式でわかる理論値です。
一方、FIREを目指す、いわゆるFIREチャレンジ中に、
- 転職に成功して大幅な年収UPを実現
- 予想以上の生活費削減に成功
- 期待以上の高い利回りの資産運用を実現
といった出来事も起こる可能性があり、シミュレーションで出た値が必ずしも正しいとは限りません。
ただし、様々なパターンを想定した上で、FIREシミュレーションを実施することで、自分の今の立ち位置や、目指すべきFIREのパターンが見えてくることがありますので、年収や投資の運用益の数値を変えながら、自分に合ったFIREのパターンを探してみてください。
【FIREシミュレーション❶】FIREまでの年数
「今の年収なら、いつFIREできるの…?」
「FIREまでの必要年数をサクッと知りたい…」
ザックリFIREまでの年数を知りたい方はこちら⇩
シミュレーション❶-年数版-
ここからは、シミュレーション❶-年数版-で扱った項目を解説します。
シミュレーション❶では、現時点での収入や支出を元に、FIREが達成できるまでの年数(年間支出×25年分の資産構築が達成できる年)が分かります。
シミュレーション❶の計算式(下線部は入力項目):
- ❶年間収入:(月収+副収入)×12か月
- ❷年間の副収入:(月収+副収入)×12か月
- ❸年間支出:支出/月×12か月
- ❹貯蓄額:現時点の貯蓄額
- ❺収支差額:(❶+❷)ー❸
- ➏必要資産:❸×25年分
- 年度計算:(➏ー❹)/❺
この計算式でシミュレーションをすると、FIREできる資産構築が完了するまでの年数が分かります。
【FIREシミュレーション❷】FIREまでの資産構築額
「FIREの目標年は決めたけど、結局いくら資産構築すればいいのかな…」?」
「○○年までにFIREするなら、年間いくら資産構築すればいいんだろう…」
FIREまでの資産構築額/年を知りたい方はこちら⇩
シミュレーション❷-資産構築版-
シミュレーション❷は、目標年数までに毎年いくらの資産構築が必要かがわかるシミュレーションです。
FIREを達成したい年数を決め、必要資産をその目標年数までに、毎年いくらずつ構築していけばいいかが分かります。
シミュレーション❷の計算式(下線部は入力項目):
- ❶年間収入:(月収+副収入)×12か月
- ❷年間の副収入:(月収+副収入)×12か月
- ❸年間支出:支出/月×12か月
- ❹貯蓄額:現時点の貯蓄額
- ❺FIREまでの目標年数:年数
- ➏収支差額:(❶+❷)ー❸
- ❼必要資産:❸×25年分
- ❽目標年までの資産:➏×❺+❹
- ❾FIRE達成までの不足額:❼ー❽
- 1年で増やすべき収入:❾/❺
この計算式でシミュレーションをすると、FIREできる資産構築を達成するために、毎年いくら資産構築すべきかが分かります。
目標とする年数によって、毎年構築が必要な資産額も変わってきます。
FIREとは
今、日本の20代から30台を中心に流行しているのが、FIREです。
FIREの正式名称は、「Finacial Independence,Retire Early」です。
日本着に訳すと、早期の経済的自立、つまり若いうちに早期リタイアを達成してしまう、ということです。
FIREを達成すると、
- お金のために無理に仕事をしなくてもよい
- 節約や資産運用で金銭的な自由が得られる
- 自分が好きなことに時間を使うことができる
などのメリットがあります。
【FIREとは?FIREの正式名称や早期リタイアとの違いを徹底解説!⇩】
FIREに必要な資産の考え方(計算方法)
FIREまでに必要な資産の計算式を解説します。
FIREの達成状態を1つの式で表すと、以下のようになります。
【FIRE達成状態】
収入ー支出+副収入(副業/投資を含む)+貯蓄額 > 支出×25年分
カンタンに言えば、年間支出の25年分の資産構築ができれば、FIREができる状態になります。
さらに、25年分の貯蓄に加え、4%の利率の資産運用ができていれば、完全FIREが達成できます。いわゆる、「4%ルール」と呼ばれるものです。
FIREではなぜ支出の25年分が必要なのか
ではなぜ、年間支出の25年分の資産構築が必要なのでしょうか。これは「4%ルール」も絡んできます。
4%ルールとは、「年間支出の25倍の資産があれば、年利4%の運用益で生活費がまかなえる」という考え方です。
例えば、年間の支出額が300万円だった場合、25倍の7,500万円の資産貯蓄を行い、さらに年利4%(7,500万円×4%=300万円)で運用益があれば、理論上はその資産を維持したまま永続的に生活できるということになります。
例えば、
- 年間支出額:300万
- 年利:4%
- 貯蓄額:7,500万円(300万×25年分)
- 運用益:300万(7,500万×4%)
の場合、「年間支出額=運用益下線の300万」>となり、働かなくても資産(7,500万円)が減らない状態になります。
そのためには、年間支出額の25年分の資産と、さらにその資産を4%以上の利率で運用することが必要です。
従って、まずは年間支出の25年分の資産構築が、最初にやるべきこととなります。
【4%ルールとは?FIRE(早期リタイア)したい人必見の資産運用術を解説!⇩】
【事例】平均的な日本人でFIREシミュレーションしてみた
ここでは、実際にいくつかのシミュレーション結果をご紹介します。
※シミュレーション結果は、あくまで参考値です。
想定したのは、各年代の平均収入・支出を使う日本人のサラリーマンです。
今回FIREシミュレーションしたサラリーマンは、以下の年代です。
- 20代前半
- 20代後半
- 30代前半
- 30代後半
20代前半
年代 | 月収(万円) | 支出(万円) | 貯蓄(万円) | 副収入(万円) |
20代前半 | 20 | 15万円 | 50万 | 1万円 |
20代前半のFIREシミュレーションでは、FIRE達成は61年後(80歳~)となりました。
20代後半
年代 | 月収(万円) | 支出(万円) | 貯蓄(万円) | 副収入(万円) |
20代後半 | 25 | 18万円 | 200万 | 3万円 |
20代後半のFIREシミュレーションでは、FIRE達成は43年後(70歳~)となりました。
30代前半
年代 | 月収(万円) | 支出(万円) | 貯蓄(万円) | 副収入(万円) |
30代前半 | 30 | 20万円 | 300万 | 5万円 |
30代前半のFIREシミュレーションでは、FIRE達成は31年後(61歳~)となりました。
30代後半
年代 | 月収(万円) | 支出(万円) | 貯蓄(万円) | 副収入(万円) |
30代後半 | 40 | 25万円 | 500万 | 12万円 |
30代後半のFIREシミュレーションでは、FIRE達成は21年後(56歳~)となりました。
FIREシミュレーションのまとめ
年代 | FIRE達成年度(年後) | 達成年齢 |
20代前半 | 61 | 80代 |
20代後半 | 43 | 60代 |
30代前半 | 31 | 50代 |
30代後半 | 21 | 50代 |
さて、シミュレーション結果は上記の表でまとめてみました。
この表の数値は、あくまでシミュレーション結果なので、一概に言えませんが、
- 20代は、早めに転職による年収UPや資産構築を実現する
- 30代は、資産構築のペースを落とさないようにする
といったことが言えるでしょう。
ただし、あくまでシミュレーションの年収や支出は参考値であり、人によってかなり差異があってもおかしくありません。
繰り返しになりますが、シミュレーション結果は、あくまで参考程度にしてください。
実際には、以下からの話がFIREを達成するために、重要な部分になります。
FIREシミュレーションから分かったFIREの成功方程式
FIREシミュレーションの結果から、悲観的になっているかもしれない方に、ここからFIRE関連の書籍や、海外のFIRE達成者のブログを読み漁った筆者が、FIRE成功者に共通する成功方程式について、解説していきます。
それは、「❶転職による年収UP×❷徹底的な節約×❸長期目線の投資運用」です。
まずは、FIREの成功方程式を話しつつ、FIREシミュレーションから分かる❶~❸の重要性を解説していきます。
よくあるFIREの勘違い
FIRE成功方程式の3つの要素について説明する前に、よくあるFIREの勘違いを取り上げます。
FIREと聞くと、
- 「不動産投資をしまくって、仕事をしなくても大丈夫なくらい自由な生活」
- 「プール付きの大豪邸とかタワマンに住んで、毎日優雅に暮らす生活」
- 「株とかFXで一発大儲けして、一気に大金持ちになる」
といったイメージを想起する人が多いようです。
たぶん、このようなイメージは、映画やインスタで見たアメリカの大富豪やギャンブラーに由来しているのかと思います。
結論から言えば、こういったイメージは、FIREにはあまりありません。
むしろ、FIRE成功者は、一般人に近い生活やかなり質素な生活を営んでいる方が多いです。
実際に、FIREを達成した日本人の方々は、
- ムダな出費を減らす
- 捻出したお金は資産運用に回す
といった節約と投資志向を徹底することで、FIREを達成しています。
日本人版FIREを達成した著者による書籍の要約記事もありますので、ぜひご覧ください↓
❶転職による年収UP
- 「不動産投資をしまくって、仕事をしなくても大丈夫なくらい自由な生活」
実はFIREには「サイドFIRE」といって、毎週5日働くのではなく、経済的余裕から、週3日働きつつ残りは自由な時間を過ごす「サイドFIRE」というパターンがあります。
「サイドFIRE」とは、仕事をつづけながらも、自由な時間を増やしていく新しいFIREの形です。
まずはFIREを達成するために、支出×25年分の資産構築ではなく、支出×18年分の資産構築に成功した後、週3ほどで仕事を続けることで、ワークライフバランスがかなり良くなるFIREです。
このサイドFIREを含め、FIRE達成を早めるには、収入の大部分を占める給料を増やすことが、早道です。FIRE成功者の多くは、年収UPを達成するために、自分の市場価値を磨きつつも、高年収職種への転職を成功させています。
【サイドFIREとは?プチ・配当FIREなど様々なFIREのタイプを解説!⇩】
❷徹底的な節約
- 「プール付きの大豪邸とかタワマンに住んで、毎日優雅に暮らす生活」
FIREを達成した人の中で、実は優雅な生活をしている人はあまりいる印象はありません。
そんな生活をしていたら、せっかく構築した資産をすぐに食いつぶしてしまうからです。
FIREの本質は、「資産を増やしつつ(❶)、守るべき資産は守り(❷)、その上で資産が資産を生み出す状態を作ること(❸)」といえます。
転職してせっかく年収UPしたり、毎月定額投資をしてコツコツ資産運用をしても、休日などにぱあーっと使ってしまっては、本末転倒です。節約しなければ、守るべき資産を守ることができません。
一方、節約をすれば、FIRE達成に必要な25年分の資産構築額が、大幅に小さくなります。
さらに、浮いた資産を投資に回せば、運用益がその分、膨らみやすくなります。
FIRE達成には、収入UPも大事ですが、同時に節約が非常に大事なのです。
【5選】FIRE達成のための最強節約術!FIRE成功者が実践した節約術とは?⇩
❸長期目線の投資運用
- 「株とかFXで一発大儲けして、一気に大金持ちになる」
結論から言えば、FIREでは株やFXで一発充てる必要はありません。
なぜなら、FIREの投資は、長期投資であり、支出×25年分の資産構築をまずは達成し、その後4%ルールに従い、長期的に資産を運用するからです。
むしろ、株やFXで一発大当たりをしても、節約が徹底されておらず浪費してしまうことや、4%以上の運用益が出せずに、FIREができなくなってしまうリスクの方が大いにあります。
FIREで必要な投資は、❶収入UP❷節約で生み出した資産を、長期で安定的に資産を生み出し続ける、まるで自動販売機のような長期投資なのです。
【FIRE達成の秘訣とは?FIRE達成には節約と投資が重要!⇩】
シミュレーションから要素の重要性を裏付けてみる
ここからは、本記事で取り扱ったFIREシュミレーションを使って、FIREの成功方程式における3要素の重要性を確認していきます。
シミュレーション式を分解してみる
FIREシミュレーション❶-年度版-の式の中身をもう一度確認してみましょう。
FIREシミュレーション❶の計算式(下線部は入力項目):
- ❶年間収入:(月収+副収入)×12か月
- ❷年間の副収入:(月収+副収入)×12か月
- ❸年間支出:支出/月×12か月
- ❹貯蓄額:現時点の貯蓄額
- ❺収支差額:(❶+❷)ー❸
- ➏必要資産:❸×25年分
- 年度計算:(➏ー❹)/❺
注目してほしいのは、下線が引かれた入力項目❶年間収入、❷年間の副収入、❸年間支出です。
❶~❸を3要素と照らし合わせると、
- ❶年間収入→年収
- ❷年間の副収入→投資運用(益)
- ❸年間支出→節約
に対応しています。
ここで重要なのは、❶年間収入と❷年間の副収入を大きくし、❸年間支出を小さくすることです。
年度計算である「(➏ー❹)/❺」は、❶と❷が大きく、❸が小さいほど、FIRE達成までの年度が小さく算出されます。
また、❸年間支出が小さいと、構築すべき25年分の必要資産額も、大幅に小さくなり、FIREまでの年数が早まります。
つまり、FIREシミュレーションから分かることは、
FIREの成功方程式にある3要素のうち、
- 年収と投資運用(益)で年間収入を増やすこと
- 節約によって年間支出を抑えること
が大事ということです。
FIREシミュレーションで確認してみる
実際に、シミュレーションを使って、FIRE成功の方程式の3要素の重要性を確認してみます。
今回は「シミュレーション❶-年度版-」で、どれくらいFIRE達成の年数が小さくなるかを確認してみます。
ここでは、平均的な20代前のビジネスパーソンを想定します。
【平均的な20代前半のビジネスパーソン】
年代 | 月収(万円) | 支出(万円) | 貯蓄(万円) | 副収入(万円) |
20代前半 | 20 | 15万円 | 50万 | 1万円 |
ここデータでシミュレーションすると、FIREまで61年かかります。
では仮に、❶転職に成功して年収がUPし(5万円/月)、さらに月の節約を徹底した結果(ー2万円/月)、下記のようになったとしましょう(投資益などの副収入は、今回はそのままにしておきます)。
- 月収:転職で+5万円/月(年収240万円→300万円)
- 支出:節約でー2万円/月(年間支出180万円→156万円)
年代 | 月収(万円) | 支出(万円) | 貯蓄(万円) | 副収入(万円) |
20代前半 | 25 | 13万円 | 50万 | 1万円 |
なんと、FIRE達成までが、61年→24年になります。
5万円分の年収UPと2万円の節約が、ちりも積もると、なんと37年もFIRE達成を早めてくれます。
もちろん、歳を経るごとに、年収や副収入も増えていきます。
しかし、FIREシミュレーション式を分解して分かったように、FIRE達成には「年収+節約+資産運用」の3要素が大事ということはずっと変わらないということです。
他にもFIREに必要な資産構築額などを確認してみたいことは、ぜひFIREシミュレーションをしてみてください!